発達障害の子どもへの叱り方 毒親にならないために〜行動コントロールと心理コントロール〜

発達っ子、特にいろいろやらかしちゃう子には、いくら褒めろと言われても叱っちゃうこともありますよね。この世界では「どこまでがわがままでどこからが障害なのか?」と言うことはずーっと話し合われています。


そこで、褒める方法はたくさんあれど、叱り方についてはそんなに情報がないと思うので、最新の研究結果を踏まえてご紹介したいと思います。

結論 行動に対してなら叱っても良い

メリット

子供の自我を損なわず、大人になっても自己肯定感が高くいられる

反対に心理コントロールは自己肯定感を下げます。その影響たるや、親しい友人や親せきを亡くしたばかりの心理状態に近いぐらいの不安定な精神状態でした

ユニバーシティカレッジロンドンの研究では、同研究の筆頭著者であるMai Stafford博士は次のように述べています。
「優しくて子どもにすぐに応えてくれる親がいた人は、一生を通して人生の満足度が高くなり、精神的な健康も良好になることがわかりました。その反対に、心理的コントロールを受けた人は、人生に対する満足度も精神的な健康も著しく劣っていました。心理的コントロールとは、子どもが自分で何か決めることを許さない、子どものプライバシーに立ち入る、子どもの依頼心を育ててしまう、などがあります。」

子育ての最終目標は、成功と自立を手に入れる大人に育てることとすれば、自分が行っていることに疑問を持つこともあろうかと思います。しかし、親も人間です。自分の常識を軽く飛び越えてくるお子様に、びっくりして怒鳴ってしまったり、積もり重なって泣いてしまうこともあるのではないでしょうか?

しかし、専門家に相談すれば、だいたいが「褒めてください」「気にしないようにおおらかでいてください」と言われます。しかし、私たちが知りたいのは、すぐに効く対処法です。

家族に相談しても、学校に相談しても、友達に相談しても、的を得た回答は返ってこないでしょう。こうして母親は孤立してしまうのです。偉い人の講演会を聞いて、よし頑張るぞ!と意欲を燃やしても、家に帰れば現実が待っていて、そのギャップに自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。

発達っ子の褒め方はいろんな本で紹介されていますが、叱り方となるとそんなに見つかりません。せいぜい叱ると怒るは違う、と書いてあるぐらいかな。

さてその叱り方について、先ほどの研究結果からご紹介したいと思います。まず、やってはいけない心理コントロールとは、文字通り、心の動きを改めさせようとしたり、感情をコントロールしようとする叱り方です。

例えば、「あなたが塾に通うために、親はどれだけ頑張っているのか知っているの?」「あなたがゲームをし続ける間、他の子は勉強を頑張っているのよ」「今頑張らないと、将来もずっと負ける人生を送るのよ」とか、罪悪感、比較、そして何か子どもが言うたびに言葉を変えて追い込んでいく、考え方を変えさせるような叱り方です。

親の期待に答えないと見捨てられるような感情を持たせると、将来に渡って依頼心を育ててしまったり、自分の心をコントロールすることが難しくなってしまいます。

心理コントロールってマインドコントロールに似てますよね。マインドコントロールしちゃった方が従順で楽かもしれません。しかし、知らず知らずの間にマインドコントロールに成功してしまうと、将来ずっと、新たな問題を抱えてしまうかもしれません。そう言う家庭って、最近だと「毒親」なんて言い方もされますよね。

行動コントロールは、「すぐに宿題しなさい!いますぐ!」「ご飯ができているからすぐにきなさい!」など、行動に対して叱るのは大丈夫です。「このゲームが終わってからー」とか、言われて、「じゃあそこまで待つから」と許容して様子見てたら、一向に終わる気配がない。様子見に行ったら「え?この次の回までできると思っていた」など、自分の都合の良い解釈で答えられたら頭きますよね。頭きて良いと思います。その時は、「すぐに来なさい」と低い声で何回も同じフレーズを繰り返しても良いかと思います。ホワイトボードに書いて見せても良いかと思います。できれば先に見通しを伝え、紙にスケジュールを書いて、タイマータイマーなどでスケジュールを見える化した上、この時間にやるべきことをやっていない場合に叱るのが良いと思います。

親は、遠慮なく、適当と思える制限を設けたり、子どもにいろいろ期待してかまいません。でも、そこからあと一歩踏み込む必要があります。それは、子どもになぜそういう制限を設けたのか、なぜそういう期待をするのかを説明して、子どもの意見を必ず聞くことです。一定の行動はコントロールできても子どもの意見を全てコントロールすることはできません。だから、子どもの心をコントロールしようなどと初めから思わないことです。親としては同意しかねることを子どもが言っても、子どもが親と別の物の見方をする権利を尊重しましょう。子どもを尊重している態度が、子どもに対する優しさを示すには良い方法です。

本当は、自発的に宿題をしたり、言うことを聞いてくれた方が楽だし、良い子に見られるかもしれません。自発的に感情や行動を変えるために、心理をコントロールするのではなく、行動に対してコントロールするようにしてみると良いと思います。行動が変わるまで、何回も同じことを言うかもしれません。しかし、お母さんの思いが届く頃には、心の底からお母さんの思いを理解してくれていると思います。

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